実地見学(彦根城)2010年11月30日[2011年1月13日]
2010年11月30日に日本語日本文化専門演習の授業の一環として実地見学を実施しました。課題レポートの中から優秀なレポートをご披露したいと思います。なお、写真も左さん撮影のものです。
左艶鑫(中国)
11月30日に、私たちMプログラムのみんなが滋賀県の彦根城に見学旅行に行った。楽しくて、いろいろ勉強になった旅行だった。
バスは約2時間も移動し、ようやく彦根城にたどりついた。まず目に映ってきたのは石垣の上に3階3重で、どっしりとした天守閣であった。天守閣はきれいな紅葉を背景にし、美しい曲線が一層魅力的に見えた。観光客はみんな静かにこの国宝に指定されている天守閣を見つめており、天守閣から伝わる江戸時代の物語に耳を傾けていたようであった。中に入ってみると、通柱のない造りや隠狭間など内部の細かな構造に心から感心した。印象深かったのは石度近くの険しい階段だった。十分気をつけないと、転ぶかもしれない。3階に上り、小さな窓から目をやると、言葉で言い表せないほどのすばらしい景色が目に入ってきた。彦根市や琵琶湖の美しい姿は今でも脳の中に残っている。
天守閣を見学してから、彦根城博物館にも行ってみた。彦根は、彦根城を中心とする城下町として栄え、数々の歴史、文化を育んできたので、豊富な美術工芸や古文書などがこの博物館に保存されている。武家の備え、幽玄の美や雅楽の伝統などを味わうことができて、本当に勉強になった。
今度の旅行で一番印象に残っているのは何かというと、やはり何度も靴を脱いだことである。天守閣にせよ、博物館にせよ、入る前に必ず靴を脱ぐこと。中国だと、このような場所では、靴を履いたまま入ってもよい。最初は日本人はなぜみんな靴を脱いでから入るのか不思議に思っていた。しかし、よく考えてみると、ただ中をきれいにしておきたいだけではないと思う。日本人の「内」と「外」の意識にも関係しているのではないか。部屋の中で発生する汚れと部屋の外で発生する汚れとは別物という感覚がある。「郷にいれば、郷に従え」ということが分かっているが、これは単なる習慣の違いだけでなく、文化そのものの違いでもあると考えている。
今度の旅行は、いろいろ考えさせられ、いい勉強になったからこそ、すばらしい思い出になった。